人間は食事・排泄・睡眠さえきちんとできていれば問題ないと良く言いますが、 意外とそれは難しいことです。
特に睡眠については悩みを抱える方が多いようです。
自覚がなくても不眠症状がある方もいます。
睡眠時間は確保できていますか?
寝床についてから寝るまでに時間がかかりますか?
寝ていても起床したい時間までに何度か起きてしまいますか?
起床したい時刻より早く起きてしまいますか?
起床後スッキリしない感覚はありますか?
今回は不眠と改善方法の例をご紹介致します。
不眠の原因
不眠の原因は多岐にわたりますが、多く見受けられる例をご紹介します。 ・精神的な不安 ・自律神経症状 ・睡眠時無呼吸症候群 ・体力の低下 ・疼痛・動悸の出現 ・合わない寝具 などが考えられます。
寝ている自分を把握しよう
スリープマイスターというスマートフォンのアプリがあります。 ダウンロードして、寝る前に起きたい時間をセットし、枕元にスマートフォンを置いておくと 睡眠の深さを測ってくれて、寝言やいびきなどがあれば録音してくれます。
不眠を改善するための3つのSTEP
その方によって合うものやそうでないものがあります。 この中で試してみて、自分が眠りにつきやすいものを選んでやってみましょう。
①睡眠を妨げるものをやめる
・カフェインの摂取をやめる
コーヒーやお茶等カフェインの効果は5時間以上続くと言われています。 不眠の症状がある方は夕方・夜間のカフェインの摂取は控えましょう。
・スマホ・パソコン・テレビを就寝1時間前から見ない
液晶画面をみると交感神経が優位になりやすいため、就寝の約1時間前からはみるのをやめましょう。 スマホを自然とみてしまう方は電源を切りましょう!
②睡眠しやすい環境を作る
・エアコンで気温を22度~24度にし、起床時まで同じ室温を保つ
春先や秋口の少し涼しい環境が一番就寝に適していると言われています。 また、就寝時の室温の変化は意外と身体の負担になっているものです。 そのため、しっかりと服を着て、掛け布団を被り、エアコンを22度~24度に設定し、室温を一定にした状態で寝ることをおすすめ致します。
・なるべく部屋は明るくないように
部屋が暗い方がメラトニンという眠たくなるホルモンが分泌されやすいと言われています。 しかし、真っ暗にすると逆に交感神経が優位になる可能性があります。常夜灯(ナツメ珠)にしての就寝を当院ではおすすめしております。
その他の方法では、部屋の電気は消し、足元など 顔から離れたところに間接照明を使ってみてはいかがでしょうか?
③睡眠しやすい身体の状態を作る
・日頃から運動をする
運動をすることにより、適度な疲労感が誘発され睡眠しやすくなることがあります。 しかし、運動する時間が夜間であると就寝時間まで交感神経が優位になってしまう可能性があるため、なるべく夕方もしくは朝方やお昼に運動をしてみましょう。 お手軽なのはジョギングですが、筋トレ(腕立て伏せ、懸垂、スクワット等)やHIIT(10秒全力でダッシュして30秒休むを繰り返す等のインターバルトレーニング)のような 少し負荷の強い運動(10回で限界をむかえるくらいの負荷)をした方が成長ホルモンが分泌されやすくなり、質の良い睡眠を取りやすくなると言われています(日頃から疲れを感じている方は無理のないように軽い運動から始めてみましょう)。
・首の後ろを冷やす
興奮状態を沈静化させるために適度に・部分的に身体を冷やすということが大事です。 特に後頭部から頸の後ろあたりを冷やすことでリラックスする副交感神経が優位になると言われています。
・手足にお灸
手足を温めることでオキシトシン(愛情を感じた時に出るホルモン)が出ると言われています。 そのため、手足のお灸はリラックスし、入眠をサポートすることができます。 湧泉(全ての足の指を曲げた時に一番凹んでいる部分)や労宮(手をグーにして薬指が掌に当たるところ)などがおすすめです。 余談ですがオキシトシンの分泌量が少ない方はちょっとしたことでイライラしやすいそうです。
・呼吸法(4・7・8呼吸法)
以前にもご紹介した呼吸法ですが、眠れない時に仰向けでするのも有効です。
・トリプトファン+ビタミンB6の摂取
先程出てきたメラトニンですが、トリプトファンという必須アミノ酸から生成されます。 また、その際にビタミンB6が必要なので、同時に摂取すると理想的です。 ビタミンB6はカツオ、鹿肉、レバーなどに多く含まれます。
・パートナーとハグ
ハグすることでセロトニン(幸せな時に分泌されるホルモン)やオキシトシン(愛情ホルモン)が分泌されます。 副交感神経系が優位になりやすく、またセロトニンの分泌はメラトニンの産生を助けるそうです。
精神状態は睡眠に多大な影響を及ぼす
考え事・悩み事等で睡眠が取れなくなるという方は多くいらっしゃいます。
それらの症状は食事(食べられない・食べすぎてしまう等)や睡眠に大きく影響します。
勿論考え事・悩み事自体を解消できるのであればそれがベストですが、なかなか難しいことも多いと思います。
しかし、身体の状態が上がり、自律神経系が整うと身体の緩衝作用(刺激等を和らげること)が強くなります。
自律神経についてもよろしければご覧ください。