それらの症状は胸郭出口症候群かもしれません。
今回は胸郭出口症候群について書かせて頂きたいと思います。
胸郭出口症候群とは
英語ではThoracic Outlet Syndrome(TOS)と呼ばれています。
まず胸郭とは肋骨や胸骨、背中の胸椎がある鳥かごのような形の領域ですが、その出口付近(鎖骨の近く)にある動脈(鎖骨下動脈)や神経(腕神経叢)が牽引もしくは圧迫されてしまい腕の方に感覚障害(痺れ等)、運動麻痺などをきたす疾患です。
なで肩・猫背・胸の大きい女性・口呼吸、虚弱体質の女性に多い傾向にあります。
パソコンをよく使っている方もなりやすいようです。
症状は腕の痛み、痺れ、だるさ、肩こり、握力低下等が起こりえます。
胸郭出口症候群の種類
①斜角筋症候群
斜角筋という頸の側面にある筋肉が前・中・後と3つあるが、斜角筋が緊張し、前・中斜角筋の間(右の画像の青く囲まれた所)を通っている神経・血管を圧迫してしまう
腕を挙げた時に胸の筋肉(大・小胸筋)が神経・血管を圧迫もしくは牽引してしまう
③頚肋症候群
本来胸椎につくはずの肋骨が頚椎についてしまい神経を圧迫もしくは牽引してしまう
④肋鎖症候群
肋骨と鎖骨の間が狭まり、神経・血管を圧迫もしくは牽引してしまう
胸郭出口症候群の原因
姿勢が猫背・なで肩になっていること、口呼吸で呼吸が浅い人が原因となっています。
また、首や肩の筋緊張も原因になります。肩がけのカバンも長時間使用すると神経や血管が圧迫される原因となります。
胸の筋肉が付きすぎていることが原因でなる男性もいるようですが、あまりそのケースは多くはないと思います。
また、当院に来られる方で多いと感じているのは、胸の大きい女性に多く見られます。
これは、胸の重さによって、胸の筋肉が長い間引っ張られる事によって緊張が生まれ、
神経や血管が圧迫される事が原因かと考えております。
胸郭出口症候群のケア
肩がけのバックをした時に腕の感覚が変わるのであれば使用をしないか、反対側にかけた方がいいと思われます。
また、鎖骨の下の部分を横に擦ると大胸筋が緩み、筋肉による神経や血管の圧迫が改善されやすくなります。
肩甲骨を寄せる体操も有効です(筋肉が付きすぎでなっていない場合)